起きてみると、昨日とは打って変わって快晴。帰る日に限ってこう。僕の人生こんなもんです。この日は僕がどうしても行きたかったヴァチカン市国をちょっと見て、お昼には出発というスケジュールを朝食中にたてる。
ヴァチカン市国。小学生の時、学習地図帳で、ローマの中にある国で人口約1000人というのをいまだに覚えていて、いったいどういう国なんだろうとずーっと不思議に思っていたのだが、ようやく見ることができる。気分は文通相手にご対面のいがぐり坊主である。
バスに乗り、サン・ピエトロ広場に到着。ローマのバスって、他の人に聞かないといつ降りればいいか全然わからない。車内メッセージの出ないバスが大部分じゃないかいな。当然のように、イタリアとの国境みたいなものはない。
快晴の空の下、神々しいサン・ピエトロ寺院。宗教面での意見は後日別途書きますが、僕はキリスト教に結構否定的。それでも思わず感動の声が出る。
広場の警察車両。環境に優しい電気自動車でしたが、警官の腰には犯罪者に優しくない拳銃がしっかり。
ヴァチカンのスイス人衛兵。ピエロみたいな服をイメージしていたけど、冬服は割と地味なのね。ミケランジェロのデザインという話ですが、本当なんでしょうか?スイスというと平和のシンボルっぽく思われていますが、実は結構血なまぐさく、特に昔は傭兵くらいしかお金を稼ぐ術がなかったと聞きます。ある戦いではスイス人傭兵部隊同士が戦ったとか。戦わなければ食べていけないから一生懸命戦い、それが勇猛果敢と評価され、16世紀からローマ教皇領はスイス人傭兵を使い始め、現在に至るわけです。
ちなみに、スイスは軍隊を持ち、かつ徴兵制です。一家に一丁は拳銃があるくらいの国です。一般にはあまり知られていませんが、なんと核武装を進めていた国でもあります(http://www.jnc.go.jp/kaihatu/hukaku/database/kiji9808/05-j.htmlを参照)。日本では昔(今でも)、一部の理想的平和主義者が非武装中立とスイス型永世中立を(意図的に)混同していたようですが、「非武装中立」とスイス型永世中立とは全く異なる概念です。スイスは、また永世中立は、平和のシンボルでも何でもありません。
昨日までの雨に同じくというか僕よりも怒っていた妻が「やっぱりスペイン階段を晴れた日に見て階段に座りたい」というご無体な御要望。結局、スペイン階段→四大河の噴水→トレビの泉→パンテオンと、昨日のコロッセオを除いた部分を逆回りすることに。トレビの泉は水を抜いてお掃除中?中はこうなっていたのか。
ということで、ローマを15:30に出発。予定より4時間近く遅れているのはなぜじゃ。いいんだ、いいんです。ずーっとミッドナイトドライブすることになっても、僕一人が苦労すれば。フィレンツェの手前で渋滞に巻き込まれたり、ボローニャのインターチェンジで向かうべきベネチア方面に乗れずにミラノ方面にいってしまったり(だって、行き先がベネチアじゃなくてパドヴァとかマイナーな書き方だったんだもん!)して、さらに余計な時間を浪費。イタリア国境を越えた段階で夜中の1時過ぎ。とほほ。ただ、フィレンツェの先で危うく追突事故を起こしそうになり(カーブの先で小渋滞という危険なパターン。ABSフル稼働でなんとか難を逃れる)、その余韻でイタリア国内は眠気来ず。
オーストリアに入って山間部を走っていると、急に車内が寒くなる。すわヒーターが故障?と思いきや、温度計を見ると、なんと外気温マイナス19℃の表示。なんじゃこりゃ!?フィンランドのオーロラ旅行の時がマイナス25℃で死にそうだったのに、それに次ぐ寒さ。たぶんバナナで釘が打てちゃうかも。もうこの頃にはかなりの睡魔が「うふふふ、いらっしゃい。気持ちいいわよ」とクーリングオフ不能の大御招待キャンペーン実施中。短時間仮眠をとりたかったのだけど、これじゃおちおち止まれない。せめてマイナス一桁のところまで行かないと。さらに2時間うつらうつらしながら走り、ようやく30分仮眠。元気を回復し、再度走り出す。メロスよ、あなたもこんな気分だったのか?朝5時半、ようやく家に到着。締めて休憩2回を入れて14時間、走行距離1250㎞。本当に長かったっす。
総合計走行距離は2900㎞。使った燃料は満タン(70リットル)2回半弱くらい。燃費の良いディーゼルだからこその業。
最後に半ば自分向けのイタリア旅行の教訓。
①やはりスリはいっぱいいる。バスの中で2回騒ぎになったし、1回は自分で目撃している。リュックサックは前抱え、財布はズボンの前ポケット(特にスラックス系の横ポケットではなく、ジーンズにような完全な前で、出すのが窮屈なのがいい)、その上で膝まであるロングコートを着るとほぼ完璧ではないか(当然、コートのポケットには何も入れない)。1回明らかにスリな人がバスで僕を狙っていたけど、完全勝利だった。ま、冬限定ですけどね。
②レストラン選びはかなり重要な要素だが、「地球の歩き方」に載っているところは基本的にハズレがない。逆に、載っていないところは当たりはずれがある。ナポリのレストランでは当初客が全員日本人という、なんだかなあという状況ではあったけど、結局は味・ボリューム・値段ともに大満足。ローマでは適当に入った店が大失敗。「地球の歩き方」どおりに行動をするのに抵抗を覚える人も多かろう(自分もそう)が、それから卒業するのは2回目以降がいいような気がする。
③ナポリまでウィーンから車でいくのはうまいこと計画しないとひどい結果となる。特に、ローマから途中宿泊なしで帰るのは無謀。イタリア人の運転マナーのひどさは天下一品。それは高速道路でも同じ。一般道では気合いで突っ込めばいいけど、高速道では命に関わる。倍疲れる。
①にしろ②にしろ、結局僕ら日本人は異邦人なんだし、格好よりは結果じゃないでしょうか。
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