オーストリア(他のヨーロッパもそう?)に住んでみると、どこかに行く時にその場所をどういう風に特定するかが日本と随分違うと感じます。
例えば日本では、○○県△△市□□※丁目XXXという住所になりますよね。ということは、県→市→地区名→丁目→番地 という具合に、2次元的な広がりを持つ区域をどんどん狭めていくことによって、最終的な位置を特定しています。
それに対して、こっちでは、○○通りXXX番地△△市という住所表示をします。ですから、○○通りという1次元的なシロモノが極めて重要になります(ウィーンにも東京都同じく23の区があります。ただ、区は日本と同じ行政組織ですので、場所探しの上では本当に大まかな場所を指し示すにすぎません。特に住居表示では郵便番号に現れる(例えばウィーン市23区ならA1230、同7区ならA1070となる)以外、出てきません)。通りさえわかれば、道の片方が奇数番地、もう片方が偶数番地で、両方とも増えていく方向は一緒ですから、あとは確実に目的地がわかります。
ということで、こっちではどんなに細い道でも全て名前が付いています。ちなみに、オーストリアでは、普通の道はstraße(例:Himmelstraße)、ちょっと細くなるとgasse(例:Weinberggasse)、もっと細くなるとwegと大まかな使い分けがされているようです(ドイツではgasseは使わないと聞いたことがあります)。
ウィーンに来たばかりの頃は本当に場所探しで悩みました。特に自動車を運転している時。慣れない左ハンドル車を運転しながら曲がり角とかにある通り名の標識(写真参照。19区PeterJordanstraßeと書いてある)を即座に見て曲がらなきゃいかんわけで、街中だとこれに一方通行という難問が追加されますから、ああなんてわかりにくいやり方なんだろうと嘆き悲しんだものです。日本では、信号の下とかに□□※丁目みたいな標識が付いてますから、大体の場所がわかりましたからね。
でも、慣れてしまうとこっち式のやり方の方がわかりやすいです。日本のやり方だと、□□※丁目までは比較的たどり着きやすいのですが、そこから目的の番地を見つけ出すのがかなり難しい。番地の並びの規則性がほとんどない上、番地を示す標識は日本にはないですからね。小さな家が入り組んだ住宅地などでは絶望的になります。一方、こっち式では、通りを見つけるのが難しいだけで、地図を予め見ておき、目印となる別の通りや建物を覚えておけば(要は目印を見つけるのに慣れが必要)、目的の通りに入るのは実は結構簡単で、目的の番地は上記のとおり規則性はばっちし、番地を表示する標識が至るところにあるので、かなり確実です。
ということで、一見難しいけど慣れてしまえば確実なのがこっち式、ある程度近くまで行けるけど最後の最後が難しいのが日本式なんでしょうかね。なんとなくこの図式は人間関係にも通じるような・・・。なぁーんて三流エッセイみたいな終わり方をしたりして。
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