モーツァルトに続き、今度はベートーベンである。
昨日の日曜日、散歩をしようということになって、アパートから車で7・8分ほどのハイリゲンシュタット(Heiligenstadt)という地域、トラムD線の終点というか始発というかなんと言ったらいいか分からない所のすぐそばにある「ベートーベンの散歩道」に行った。近くにあるのにまだ行ったことがなかったのですよ、これが。
ベートーベンの散歩道というからには、ベートーベンが散歩したんでしょうな。京都の哲学の道と同じようなもの?
散歩道の名前はまさにベートーベン小路(Beethovengang)。シュライバー川という小川沿いの細い道。ちなみにドイツ語では小川のことをバッハ(Bach)という。そう、あのバッハのバッハ。ということはバッハは日本で言うと小川さんのようなものか。昔、司会者で小川洋という人がいたが、まだ生きているのか?それにこの散歩道はバッハではなくベートーベンであり、要注意(何に?)。
とことこ歩いていく。右手にはウィーンの森の麓のブドウ畑が迫っている。当然車両通行止めなので、ゆったりのんびり歩ける。
途中、エロイカ通り(Eroicagasse)にぶつかる。詳しい人はピンと来るはずで、このエロイカは化粧品の名前ではなく、エッチなイカという意味でもなく、ベートーベン作曲のエロイカという曲から来ている(はず)。ちなみに僕はピンと来ない人。
ここのところの寒気のせいで、小川は凍りついている。夏はさらさらと流れているんだろうなあ。
道はくねくねと若干上り坂。先に行くにしたがって森が深くなり、道は細くなっていく。
2㎞(くらい?)歩くと、ベートーベンルーエ(BeethovenRuhe。ベートーベンの休憩所)という広場が出てくる。ここで彼も休憩したんだろう。ここにはベートーベンの胸像がある。日本だったら絶対におみやげ物屋なんかがあって俗化しているはずだけど、ひっそりと静まりかえっている。静かにしていたいような所はそうさせてくれる、ウィーンのこういうところが好き。
道はさらに続くようなのだが、お腹もすいたので戻ることにする。気温はマイナス3~4℃くらいだけど、風もなく、冬の弱々しい太陽も出ていて、森の空気も相まって、何とも気持ちが良い。なんか呼吸をする度に体の中の毒素が出て行ってしまうような感じ。冬の晴れ間のとてもすがすがしいお散歩でした。
そのまま昼食へ。グリンツィング(Grinzing)のはずれにあるレストランFiglに行く。ここは街中にある巨大なわらじシュニッツェルで有名なFiglmüllerの姉妹店。結構新しい店で、去年の夏に2回行ったことがある。その時は「ふーん」という印象だったのだが、メニューもちょっと変わったみたいで、今回は大変うまい。中でもルッコラのサラダ(こいつには小さなステーキが4枚も付いている!)とハンバーガーが秀逸。ハンバーガーといってもマクドナルドのような奴では当然なく、ちゃんとしたもの(値段もね)。肉にいい味が付いていて、焼き方もドイツ系ではめずらしく真ん中はちょっとレア状態でばっちり(ルッコラサラダのステーキもこんな焼き方)。アメリカやドイツなどいろんなところでハンバーガーを食べてきたけど、今までで一番おいしい気がする。あと、ここはビールが美味しいのが嬉しい。気持ちよい散歩の後だけに、普段は食の細い娘ももりもり食ってました。
なんとも満足な日曜でした。