国際機関は日本と比べものにならないくらい学歴社会であることを御存知ですか。文系であろうが理系であろうが、良いポストをとろうとするならば最低でも修士号の取得が必須です(採用条件に明記されている)。理系では博士号保持者がごろごろしているし。この辺が日本の役所との違いでしょうか。ついでに言うと、日本では何というか謙譲の美徳ということなんだろうか、名刺に学位を書くことをためらう人もいるわけですが、欧米だけでなくアジア諸国(韓国はちょっと違うかも)でも、学位保持者はそれに誇りを持って公言します。国際会議に出れば必ず学位の有無を聞かれるし。
いずれにせよ、前回の赴任の際に自分の学歴不足(理系だけど修士課程中退なので学士しか持ってなかった)を痛感し、またいつかはこっちで働きたいと思ってたので、帰国してから仕事の合間をぬって必死こいて大学に通い、論文を書いて書いてかきまくり、ようやく昨日付で本郷にある某大学から博士号を取得しました。やったぁ。
まあ、学位取得の理由は、国際機関への就職に有利という欲得の面もあったけど、それ以外にも、40歳を超え抽象的な思考能力が落ちてきたのを感じ始めていたので、たぶん自分の人生でがんばれる最後のチャンスだろう、という焦りがあったのも事実ですね。
結局、4年近くかかりましたかね。その間は平日の夜はもとより、土日もかなりの時間を論文書きに割かざるを得ず、家庭サービスを随分犠牲にしました。家族が応援してくれたからできたようなものです。
今回こちらに赴任してすぐに母親を亡くしたのですが(父親は数年前にウィーン出張時に死去。ウィーンに来ると必ず誰か死ぬ?)、死ぬ前に学位記を見せてあげられなかったのが残念です(てゆーか、それ以前に死に目にも会えなかったけど)。
論文書きの副次的な効果として、昔はテレビなどを見たりしたのですが、論文書きの習慣で全くテレビを見ることがなくなりました。たまにおもしろい番組もあるけど、基本的には時間の無駄ですよね、あれ。
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