日本から帰国した翌日、嫁が「ウィーンの森に行って散歩したい」と言い出す。
きっと、時差ぼけ解消のためには適度な運動が一番、と僕を気遣っての提案である、と信じたい。間違っても自分の気分だけで言っていない、と信じたいのである。
ちなみに場所はこの辺。
この野っ原はたまに行くところだけど、最近行ってなかった。久しぶりに行ってみると、草ぼーぼー。
おまけに斜面なので、平衡感覚がおかしくなる。
ウィーン市街が一望できるなかなか風光明媚なところ。
雲がきれい。雲って見ているだけで楽しくなる。もっと年を取って恍惚の人状態になったら、たぶん一日中雲を見ている気がする。
草の中の獣道状態の所を森を目指して進んでいく。
道草をくっていたお犬が薄ら笑いを浮かべながら追いかけてくる。
森の中に入る。鬱蒼としていて、空気がうまい。
前を見ても後ろを見ても風景が変わらない。富士の樹海に入ると道がわからなくなるのがわかる。
ひとしきり森の中を散策。所々ちょっと急な斜面もあったりする。
それでもこんな格好でしか降りられない娘はヘタレだと思う。
お犬も疲労。今晩はよく眠れる。
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