最近、ウィーン(特に18区とかの郊外の方)では、空気中を謎の白い物体がふわふわ飛び回っています。
そんで、道端を始めいろんな所でこんな状態となっています(右の写真はガソリンスタンド)。
これは何か。
表題を見てしまうと即座にネタバレとなってしまうのでやれやれという感じですが、そう、これはポプラの綿毛(種子+それを飛ばす綿毛)です。
ウィーンにはとても多くのポプラが生えています。それが(正確には銀杏のように雌雄異体なので、半分くらいの木なのでしょうが)この時期、種を飛ばしまくるのです。ウィーンの春の風物詩ってところですね。
写真の白くなっている部分がまだ木に付いている段階の綿毛。これが風に乗ってふわふわと漂うわけです。これをぼーっと見ていると、気分がとても和らぎます。特に札幌で過ごした学生時代、大学構内にたくさんポプラが生えていた(並木にもなっていましたし)ので、遠い昔にタイムスリップするような気分にもなったりします。ウィーンが好きな理由はたぶんこの辺にあるんじゃないかなあと思っています。
ポプラの木はよく白樺などとの混成林を形成したりしていますが、そういう林は一種独特なさわやかな香りを持っていて、その香りを嗅ぐのもまた楽しみです。あと、ポプラも白樺も葉っぱの表面は鮮やかな緑色ですが、裏側は白いうぶ毛が生えていて白っぽく、それが風に揺られてぴらぴらと色を変えてみせるので、見ていてもたのしいです。ウィーンの郊外ではそういう林が至るところにあるので、とても気に入っています。
ちなみに学生の時に聞いた話ですが、ポプラという木は定着しやすく、またものすごく成長が早い(寿命も短い)ので、山火事の後とかのはげ山でもいち早く生え始め、いったん生えるとこうやって猛烈に種子を蒔いて短期間で群生することによって山を修復し(はげ山だと土中のミネラルがすぐに流出しちゃいますからね)、比較的短時間で寿命を迎えて他の木の肥やしとなるという、非常に泣かせる性質があるそうです。
なお、情緒のあるポプラの綿毛ですが、ジョギングなぞをしていると口や鼻の中に入ってくるので、時に迷惑だったりします。
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