お暑うございます。なんか日本はむやみに暑いですね。
そのような中、今回の休暇帰国の最大の目標である大型自動二輪免許を取りに行ってきましたよ。
時間も限られているので通いだと危険かもしれない。ってことで、この年でうれし恥ずかし合宿免許。こっちの方が安かったりもする。
那須塩原に向かう。
しんかんせんしんかんせん。
あっという間に那須塩原に到着。
なすしおばら〜なすしおばら〜。
ということで、合宿スタート。
僕は昔の中型(今の普通自動二輪)免許を持っているので、1段階5時間、2段階7時間の計12時間で卒検を受けられるのだ。なんか規定で1日に受けられるのは2〜3時間までということなので、最短5泊6日ということとなる。
とはいえ、もう20年以上もバイクに乗っていないのではたしてどうなるか。
13時から入校式。この日は大型二輪だけ入校する曜日なので、入校者は僕だけ。ちなみに僕は合宿生の中では最長老(通いの人の中にはさらに年上の人もいるけど)。こ の教習所、バイクがメインで自動車はバイク免許との同時教習でしか教習できない。ってことで入校式では、合宿生の9割以上を占める普通二輪(16歳以上) にはDQNな若い奴らが山ほどいるので、躾のために体育会スタイルでやります、ご協力くださいといきなり関係者モードで要請される。まあ長老だしね。
さらに致命的なお願いが。教習所兼合宿所から歩いて200mくらいのところに日帰り温泉があって、どうぜ1日3時間しか乗れず暇でしょうがないだろうから 毎日入りに行ってやろうと意気込んでいたのだが、なんと合宿生は出入り禁止になっているので行かないでください、だって。後で指導員に聞いたところ、昔 DQNが女風呂を覗いたらしい。他にも出入り禁止のお店がある。馬鹿なもんだ。
普通二輪は150人以上いるらしいのだが大型は数名だけ。しかもコースが別(大型は自動車と一緒)なので、マンツーマンかせいぜい2人で教習を受ける。ほぼ貸し切り。これは気持ちがいい。
バイクの教習は夏だろうがなんだろうがヘルメットに長袖長ズボンに革グローブ・ブーツは当たり前。でも最近北陸の方で教習中に死亡事故が起きたらしく、それ以降全身プロテクターを装着することになったらしい。夏場は正直地獄である。
ボディ、肩、肘、ひざ用のプロテクター。
初日の夕方からいきなり2時間連続教習。通いの同年代の人と2人で受講。中型持っているから大丈夫だよね、20年運転してない?走れば思い出すよ、と慣ら しも何もなくいきなり第1段階のコースをがんがん走りまわされる。不思議なことに、体が覚えているんだろうか、初めてのナナハンにも関わらず何の問題もな く普通に走れたのには驚いた。
ちなみに教習車はホンダのNC750L。従来のCB750の生産中止により全国的にNCに転換されつつあるそうな。これがスーパー乗りやすかった。
中型より車体重量が20kgちょっと重いだけで750ccエンジン。女性には最適ではなかろうか。男も気楽な街乗り用途には大変取り回しが良いはず。
指導員は従来のCB750に乗る。NCよりかなり重くて大型っぽい。名機である。
大型に乗った感想としては、中型より全然乗りやすい。トルクが太いので、8の字やらクランクやらはアクセルなしの半クラだけでぐいぐい進んでくれる。教習 所のお作法である縁石から1m以内のキープレフトで問題となる内回りカーブも、2速進入半クラで余裕。こんな感じでスピードを出さない教習所ではクラッチ を如何にうまく使うかがポイントになってくるだけに、やっててよかったと思ったのが左手の握力トレーニング。初日2時間目にもう一人の人は握力がなくなっ て転びそうになったと言っていたけど、僕は余裕。やっぱりスポンジボールにぎにぎでもやっているとやってないとでは大違いだということがわかった。
合宿の日課を紹介しておこう。朝6時半から朝食、7時半から朝礼。ここでその日の受講スケジュールが記された教習手帳が渡されるので、出席必須。11時半 から昼食、17時半から夕食。22時に点呼、23時消灯。この中で1段階では2時間、2段階では3時間乗る。それだけ。午前中に教習が組まれることが多 く、要は午後は何もすることなし。近所の温泉にも行けない、外は暑い。事実上の軟禁状態であった。まあ僕は差額を支払って個室に宿泊していたのでお昼寝は 山ほどできましたけど、相部屋に泊まった大型仲間はDQNがうるさくてどうしようもなかったとのこと。合掌。
大型教習生は中型より平均年 齢が倍近いので、若いガキどもと遊ぶ訳にもいかず基本的に孤立する。ただ、ガキどもには罵声を浴びせ続けなきゃいかん指導員とはすぐに仲良くなるというメ リットもある。数少ない大型教習生同士は言うまでもなく。ということで、空き時間には大型用コースの休憩所で指導員や他の大型教習生とバカ話をしながら他 人の教習を眺めていることが多かった(これが結構勉強になったりする)。あとは大型教習生同士で空き時間に抜け出してちょっと離れた場所の温泉に行ったり した。 黒磯のかんすい苑覚楽という所はとても良かった。
大型(と自動車)のコースも紹介しておこう。
民家に隣接している。夕方の教習では走っている最中に煮物のにおいがしたりした。
クランク。自動車のより当然狭く、実質1m半弱。
全然問題ないと思っていたら、最後の最後にやられた。
中型にはなく大型で初登場の波状路。この上をシートに座らず立った状態で5秒以上かけて通過しなきゃいかん。
足着き・コース逸脱で即検定中止。1秒早い毎に5点減点。地味に難所だったりする。
スラローム。大型は7秒以内(中型だと8秒以内)で通過。車体を倒してアクセル吹かして車体を戻してブレーキ、車体倒しの繰り返し。
コーン接触で即検定中止。1秒遅い毎に5点減点。車体を倒してアクセルを吹かす恐怖感に打ち勝つ必要あり。
中型にもある一本橋。でも大型では10秒(中型では7秒)以上で通過しなくてはならん。
橋から脱落で検定中止。1秒早い毎に5点減点。10秒はなかなか厳しいけどゆっくりしすぎて脱落したら検定中止なので、5点減点は覚悟すべきだろう。1秒以上早いってのはこれまた異常。スピードはクラッチと後ブレーキで調整。ニーグリップが重要。
この他、急制動やら8の字やら坂道発進やらいろいろとある。8の字では車体はほとんど倒しっぱなしなので、絶対に前ブレーキをかけてはいけない(練習中に一度かけてみたら本当に倒れそうになった)。スピードはクラッチと後ブレーキで調整。
とんとん拍子で延長もなく最終日の卒検。
なぜか朝から異常に緊張していて朝食の味もわからない状態。検定コースは全体に細々した1コース、おまけに検定順は1番。検定員は一番厳しいという噂の人。
検定開始。エンジンスタート。指が震えている。走り始めてすぐの内回りコーナー。エンジンが冷えていてノッキングしまくり。その瞬間、教習所のお作法であ るバックミラーの調整をしなかったことに気づく。もう頭の中がパニック。波状路の最後ではバランスを崩して座ってしまい、これまで1回も失敗しなかったク ランクでは上半身ががちがちで肘が突っ張ってしまってハンドルが全然回せずバランスを崩して足着き停車してしまった。結果、不合格。
翌日 補習を1時間受けて翌々日に再度トライ。今度は最初に大回りできる2コース、順番も2番目。エンジンも温まっている。緊張しないように独り言(「次は左内 回りだよーん」など)をずーっと言いながら運転。ほぼ自覚ベースでノーミスで最後の周回に。坂道発信を終え、側道から本道に入ってくるところ。目の前の本 道に自動車教習車2台止まっている。後のは右ウィンカーを出したまま。この場合は向こうが優先なので止まっていると、いつまでたっても発車しない。どうし ようどうしようと思っていたら、車内から指導員が出てきてごめんごめんと言ってウィンカーを消させて行っていいよーと誘導してくれた。ほっとして障害物を よける要領で進んで行くと、今度は前の車がいきなり発進。僕と並走状態に。こちとらすぐ先でまた左側道に出て急制動をしなきゃいかんのに。この車、おまけ に確認もせず右に幅寄せし始めた。もう頭の中は真っ白。この段階で車内の指導員がやっと気づいて急ブレーキを踏んでくれてなんとか切り抜け急制動も終わり 検定終了。
頭真っ白状態で休憩所に戻ると、さっきの指導員が「ごめんなー、教習生を怒鳴っておいたから」と詫びを入れにきた。あれはどう なるのか聞いたら、「いや、あれは君が優先だしこっちの一方的なミスだから、検定には響かんよ」とのこと。その後通りかかった検定員も、「あれは問題な し。よくパニックにならず急制動をこなしたな」だって。パニックでしたよ、本当に。でもこの瞬間に合格を確信。結果、やっぱり合格。やったぁ。
やっと卒業、帰宅。いやあ、娑婆に出てきたって感じ。
そんで翌日、運転免許センターに行って免許申請。視力検査だけでおしまい。
見よ、大自二の文字!
普通二輪と大型二輪は独立した免許なので、大型を取っても消えずに残るんですね。
ということで、これで二輪ならハーレーでもなんでもかんでも乗れるようになりました。なんというか、急に世界が広がった感じ。オーストリアに戻ったら、早速EU免許も書き換えることにしよう。
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